syosai 旧知の八木禧昌君(月刊・いそつり元編集長)が、昭和30年代半ばから、十数年を費やした森岡さんの「全日本無人島初登磯」の記録は、登山家の「未踏峰初登頂」に匹敵する困難と歓喜の偉業であり、釣り文化として後世に記録の全容を残すべきだ、といわれる。
 私のように、一生を大方仕事もせずに遊び暮らした、つまらぬ人間の足跡を釣り文化として残したい、とは何とも面映ゆく恥ずかしいが、八木君の強い気持ちに当時の記録や原稿の再録等、編集をお任せした。また未発表の写真、資料等も同様に取り扱いをお任せした。
 記録の再録がどのような形になるのか、今はまだ予想もつかないが、久しぶりに少し若返ったような気分だ。
 昭和30年代に、こんな釣り人がいた、その記録が残るならば、私はそれで充分満足だ。
       大正8年(1919年)奈良県出身  森岡 治


平成23年(2011年)8月、
自宅書斎で撮影。満92歳